
人気サロンCOVER HAIRのクリエイティブチーム「COVER HAIR CREATIVE」がヘアメイクを担当した、ihme issue10の土方エミリビジュアル。ヘアメイクディレクションを務めたのは、代表・谷本一典。
柔らかなピンクを主役にしながらも、単なるフェミニンでは終わらせない。繊細な質感コントロールと計算された抜け感によって、“可愛さ”と“モード”を共存させた今季らしいルックが完成した。ナチュラルでありながら印象に残る、その絶妙なバランス感覚に注目したい。
“柔らかいのに強い”。ピンクで描く、現代的フェミニニティ
今回のビジュアルは、淡いピンクのスタイリングと立体感のあるテクスチャーによって、どこかドリーミーな空気感を纏いながらも、土方エミリの持つ凛とした表情によってモードへと昇華されている。
特に印象的なのは、“余白”を活かしたビジュアル構成。
視線を伏せた静かな横顔、肌に沿う柔らかな毛束、ミニマルに削ぎ落としたメイク。そのすべてが調和することで、儚さだけではない“意思のある透明感”を感じさせる。
COVER HAIR CREATIVEならではの感性は、甘い世界観の中にもエディトリアルな緊張感を宿せること。谷本一典によるディレクションによって、ファッション・ヘア・メイクが一体化した洗練されたビジュアルへと完成している。
【HAIR】ニュアンスを纏わせた、センシュアルなフェイスラインデザイン
ニュアンスを纏わせた、センシュアルなフェイスラインデザイン
ヘアはダークトーンをベースに、顔まわりへ繊細なニュアンスを与えたロングスタイル。
全体を大きく巻き込みすぎず、あえてラフな動きを残すことで、空気を含んだような柔らかさを演出している。
特にポイントとなるのが、頬から首元にかけて落ちる細い後れ毛。
この“線”のデザインによって、フェイスラインに奥行きが生まれ、静かな色気とモード感をプラス。帽子のボリューム感に対して、ヘアを繊細に仕上げることで全体のバランスを美しく整えている。
前髪は軽さを出しながらも、目元に自然な影を落とす設計に。肌の透明感を引き立てながら、表情にミステリアスなニュアンスを加えているのも印象的だ。
谷本一典のディレクションらしく、“無造作に見えて計算されている”質感づくりが随所に感じられるヘアデザインとなっている。

【MAKE-UP】透ける血色感で魅せる、ミニマルモードメイク
メイクは全体をワントーンでまとめながら、質感の差によって奥行きを作り出している。
ベースは素肌感を残したセミマット仕上げ。フォギーすぎず、ほんのりと内側から光を感じるような肌づくりによって、透明感を最大限に引き出している。
チークは淡いピンクを頬へ広めにふわりと入れ、体温を感じるようなナチュラルな血色感を演出。
アイメイクは色を重ねすぎず、まつ毛と陰影で静かな立体感を表現している。視線を伏せた時に生まれる柔らかな陰影が、今回のビジュアルの空気感をより印象的なものへ導いている。
リップは青みを感じるローズピンクを薄く纏い、ツヤを抑えたソフトマットな質感に。甘さを残しながらも、モードな余韻を感じさせる絶妙なカラーコントロールが秀逸だ。
COVER HAIR CREATIVEのメイクは、“作り込む”のではなく、“魅力を研ぎ澄ます”こと。今回のルックにも、その美学が丁寧に反映されている。
ファッションとヘアメイクが溶け合う、“静かなエモーション”
今回の土方エミリのビジュアルは、フェミニンな色彩とモードな空気感が美しく共存した、完成度の高いエディトリアル作品となった。
ボリューム感のあるハットや立体的な衣装の存在感に対し、ヘアメイクはあくまで繊細に。その引き算によって、モデル自身の透明感や表情の強さが際立っている。
谷本一典がディレクションするCOVER HAIR CREATIVEの魅力は、トレンドを単に再現するのではなく、“その人らしさ”を軸に感性として昇華できること。
甘さ、儚さ、モード感、そのすべてが絶妙なバランスで共存した今回のルックは、今の時代が求める新しいフェミニニティを象徴している。