花を纏う肖像 ― 鈴川紗由、静謐なる強さ

人気サロン・カバーヘアのクリエイティブチーム「カバーヘアクリエイティブ」がヘアメイクを担当し、代表・谷本一典がヘアメイクディレクションを手がけた本作。
黒の静寂の中に浮かび上がるパープルと花々。
そこに立つ鈴川紗由は、可憐さを超えた“象徴”として存在する。
装飾と静けさを両立させた、完成度の高いヴィジュアルだ。

静寂の中に立つ、現代のミューズ

漆黒の背景に、鮮やかなパープルのフラワードレス。
足元には無造作に置かれた花々。
構図は極めてシンプルでありながら、画面には圧倒的な密度がある。

視線はまっすぐ、感情を過度に語らない表情。
その抑制が、衣装の華やかさと絶妙なコントラストを生み出している。

谷本一典のディレクションは、装飾を“飾り”で終わらせない。
鈴川紗由という存在が中心に据えられ、すべての要素がそこへ収束する構造になっている。

【HAIR】クラシックに潜ませた、抜けの設計

ヘアはロングのナチュラルウェーブ。
ドレスや花冠が華やかな分、ヘアはあえて作り込みすぎず、
空気を含ませた柔らかな質感で仕上げている。

花冠のボリュームとヘアのシルエットがぶつからないよう、
トップは抑え、サイドと毛先に自然な動きを残す。
このバランス感覚こそ、カバーヘアクリエイティブの技術力の真骨頂。

クラシカルでありながら、どこか今っぽい。
それは“抜け”を理解しているチームだからこそ成立するヘアデザインだ。

【MAKE-UP】色を纏いながら、透明感を失わない

メイクは衣装のパープルに寄り添いながらも、
顔立ちを沈ませない設計がなされている。

ベースは透け感重視。
チークはやや広めに入れ、血色をしっかり感じさせることで、
黒背景の中でも表情が埋もれないよう調整。

リップはナチュラルな発色で統一し、
強いグロス感を避けることで、全体の世界観を崩さない。

目元は強調しすぎず、まつ毛と眉の存在感で輪郭を整える。
谷本一典のディレクションらしい、“足し算より引き算”の美学がここにも息づいている。

装飾を超えて、象徴へ

花、色、クラシックなシルエット。
それらすべてを背負いながら、なお視線を奪うのは鈴川紗由自身。

カバーヘアクリエイティブの総合力、
そして谷本一典による一貫したディレクションが、
ロマンティックな要素を“強さ”へと昇華させた。

華やかでありながら静か。
可憐でありながら揺るがない。

ihme issue5の中でも、この一枚は“象徴的存在”として記憶に残るだろう。