体温のある静けさ。カバーヘアクリエイティブが描く、無防備という美学

人気サロン「カバーヘア」のクリエイティブチーム、カバーヘアクリエイティブがヘアメイクを担当。代表・谷本一典のヘアメイクディレクションのもと、木下絵里香の“守られていない強さ”を、極めて繊細なヘアメイクで表現した。横たわる身体、やわらかな光、そして素肌に近い質感。近づくほどに、感情の輪郭が立ち上がる。

親密さが生む、リアルな美しさ

床に身を預け、視線だけでこちらとつながる——その距離感は、どこか私的で、だからこそ強い。今回のヘアメイクは“見せるため”ではなく、“感じさせるため”の設計だ。谷本一典率いるカバーヘアクリエイティブが大切にしたのは、ポーズや衣装に潜むフェミニニティを過剰に強調しないこと。あくまで自然体で、しかし曖昧にはならない。そんなバランスが、木下絵里香の存在をリアルに浮かび上がらせている。

【HAIR】:崩しすぎない、静かなラフ感

ヘアはまとめすぎず、ほどよく力を抜いたダウンスタイル。顔周りの毛束は繊細に残し、横になったときのシルエットまで計算されている。動きを足すのではなく、重力に委ねることで生まれるニュアンスを活用。谷本のディレクションらしいのは、スタイリングの痕跡を極力消しながら、清潔感と女性らしさを同時に成立させている点だ。

【MAKE-UP】:素肌の延長線にある、ミニマルメイク

メイクは徹底してナチュラル。ベースは薄く、肌の明るさと柔らかさを引き出すことに注力している。アイメイクは輪郭をなぞる程度に抑え、まなざしの強さは素の目力に委ねる設計。リップも血色をほんのり足すのみ。谷本一典の美学が宿るのは、「足さない勇気」が、この距離感を成立させている点にある。

トータルイメージ:触れられそうな、美のリアリティ

ヘアとメイクが前に出ることなく、モデルの体温や呼吸まで想像させる完成度。カバーヘアクリエイティブが得意とするのは、サロンワークで培った“人の魅力を見極める視点”を、エディトリアルの世界へ持ち込むことだ。代表・谷本一典のディレクションによって、木下絵里香は「演じる存在」ではなく、「そこにいる存在」として写し出された。
美しさとは、無防備になった瞬間にこそ現れる。
その真理を、静かに語る一枚である。