透明感を纏うエフォートレス・ミニマリズム── 美南早希が体現する“Minimalist Chic”の現在地

ミニマリズム=引き算の美学。その世界観を、モデル・美南早希が柔らかく、でも芯のある存在感で体現する。髪の揺れ、肌のトーン、軽やかな素材感──すべてが“ありのまま”でありながら、どこか計算されたバランスの妙。シンプルでありながら印象に残る、今の時代にふさわしい“Minimalist Chic”のスタイルを紐解いていく。

Minimalist Chic

素の美しさに宿る、静かな強さ

今回のビジュアルは「静けさの中の強さ」がテーマ。全体に漂う空気は柔らかく、無垢で、どこか儚い。しかしその中に、確かな意志と美学が宿るような印象を受ける。過剰な装飾を削ぎ落とした分、モデル本人の魅力がストレートに伝わってくる。淡いトーンの中にも陰影があり、視線を惹きつける静かな力が感じられるビジュアルだ。

「素」を引き立てる、計算されたラフさ

ヘアは、顔まわりを柔らかく包み込むロングウェーブ。カールのリズムをあえて均一にせず、動きのある仕上げにすることで、リラックスしたムードを演出。フロントのぱつんとしたストレートバングが視線を引き締め、全体に静と動のコントラストを生んでいる。
メイクは極めてナチュラルながら、リップにわずかな血色を加えることで、顔全体の印象にツヤと生気を宿している。まつ毛や眉は自然な毛流れを活かし、抜け感を保ったまま上品な仕上がりに。

ドットとシアーが描く、視線の余白

ファッションは、シアー素材のドットワンピース。可憐なテクスチャーとゆとりのあるシルエットが、ナチュラルなヘアメイクと調和しつつ、視線に“抜け”をつくる。ボリューム袖やフレアなラインが動くたびに空気を含み、髪のゆらぎとリンクするデザイン。色味を白に統一することで、全体の統一感と透明感が際立つ。

「飾らない」ことの美しさを、アップデートする

全体としては、“ミニマル”でありながら“地味”ではなく、“ナチュラル”でありながら“無造作”ではないという、絶妙なバランス感が光るスタイリング。ヘア、メイク、ファッションのすべてが「引き算」で構成されているのに、決して物足りなさは感じさせない。今の時代が求める“等身大の美しさ”を、静かに、でも力強く語りかけてくる一枚だ。

COVER HAIR CREATIVE

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谷本一典
(カバーヘアグループ代表)

@lupin_1969

©︎COVER hair's magazine
「COVER HAIR(カバーヘアー)」が発信する年1回発行のヘア・ファッションマガジン。エイベックス・マネジメント、テンカラット、レプロエンタテインメント、プラチナムプロダクションなどに所属する人気モデルとのフォトセッションを通じて、クリエイティブな要素を取り入れたヘアスタイルを提案。また、サロンワークで実際に活用