“静寂と幻想、その境界線へ。” 野乃ジゼルが纏う、モードフェミニンの新解釈。

COVER HAIR CREATIVEが描く、“少女”と“幻想”が交差するヘアメイクデザイン
『ihme issue12』で披露された野乃ジゼルのビジュアルは、現実と物語の境界を曖昧にするような幻想性が印象的。人気サロンCOVER HAIRのクリエイティブチーム COVER HAIR CREATIVE がヘアメイクを担当し、代表・谷本一典がヘアメイクディレクションを手掛けた。ナチュラルな美しさを軸にしながらも、繊細なディテールを積み重ねることで、透明感とモード感を両立。ファッションが持つストーリー性を最大限に引き出す、今季らしいクリエイティブヘアメイクを解説する。

「儚さ」と「意思」を共存させる、静かなファンタジー。

画面全体を包む柔らかなライティングの中で際立つのは、過度な演出ではなく、モデル自身が持つ透明感。その静かな存在感を引き立てるため、ヘアメイクは極限まで引き算を意識しながら、アクセントとなる質感やパーツデザインを巧みに配置している。

フロントでまっすぐ視線を向ける姿と、うさぎのマスクを纏ったサイドシルエットという対比が、「現実」と「空想」の二面性を演出。ヘアもメイクも主張しすぎず、それでいて印象に深く残る絶妙なバランスは、COVER HAIR CREATIVEならではのクリエイティブワークといえる。

【HAIR】シンプルだからこそ際立つ、計算された“ピュアストレート”。

ヘアは艶を活かしたロングストレートをベースに、顔まわりへ繊細なレイヤーをプラス。動きを最小限に抑えながらも、フェイスラインへ自然な陰影を生み、写真に奥行きを与えている。

前髪は目元が程よく透けるシースルーバング。重く見せず、視線を瞳へ集める絶妙な厚みが印象的だ。サイドにはパール調のヘアアクセサリーを添え、クラシカルなムードをさりげなくプラス。バックスタイルでは低めのポニーテールにリボンを合わせることで、少女らしさとアート性を両立させている。

全体をタイトに収めながらも毛先には自然な柔らかさを残し、光を受けるたびに美しい艶が浮かび上がる。フォルムコントロールの精度が、このスタイルの完成度を大きく支えている。

【MAKE-UP】素肌感を極めたミニマルメイクが、透明感を最大限に引き出す。

メイクは肌づくりが主役。厚みを感じさせないセミマットなベースで、内側から光を放つような透明肌を表現している。

アイメイクはブラウンを基調とした極めて繊細なグラデーション。アイラインはまつ毛の隙間を埋める程度に留め、まつ毛もセパレートさせることで、瞳本来の美しさを際立たせている。涙袋には控えめな光を忍ばせ、儚げな印象をより印象的に演出。

眉はナチュラルストレートで柔らかな存在感を保ち、チークは肌へ溶け込むようなピンクベージュを広範囲にぼかすことで血色感をプラス。リップはツヤを抑えたピンクベージュを選び、全体の空気感を壊さないミニマルな仕上がりに。

色を重ねるのではなく、光と質感で表情を描く――そんな繊細な設計が、この作品の美しさを支えている。

ファッションとヘアメイクが紡ぐ、“もうひとつの物語”。

今回のビジュアルは、衣装が持つロマンティックな世界観を、ヘアメイクが静かに支えることで完成したクリエイションである。

決して華美ではない。それでも視線を惹きつけるのは、一つひとつのディテールに明確な意図があるからだ。艶やかなストレートヘア、透き通るような肌、余白を残したメイク、そしてアクセサリーやリボンの控えめな装飾。それらすべてが物語性を生み出し、幻想的な世界へと見る者を誘う。

COVER HAIR CREATIVEが創り出すヘアメイクは、トレンドを追うだけではなく、モデルの個性とファッション、写真表現までを一つの作品として設計するクリエイティブデザイン。その世界観を統括する谷本一典のヘアメイクディレクションによって、野乃ジゼルの持つ透明感と静かな強さが最大限に引き出され、『ihme issue12』を象徴する印象的なビジュアルへと昇華されている。